It's a beautiful dayの1stは村上龍の『限りなく透明に近いブルー』にも出てくるのでまだ知られていると思うが、2nd、3rdともなると存在さえも知られていないのではないか。このカーネギーホールでのライヴは4thにあたり、事実上の最後の作品でもある（これ以後バンドの顔ともいえるDavid Laflammeが脱退してしまい、バンドのカラーが変わってしまう）。演奏はやや粗いがパワフルで、インストナンバーの"Bombay Calling"でのセッションは聴き応えがある。
アルバムのラストにアル収められているのは彼らの代表曲"White Bird"で、結局最後までこの曲から逃れられない運命にあったようだ。ちなみに1stとは歌詞が多少変わっていて、少し前向きになっている。それがバンドの方向性の変化によるものなのか、時代の流れによるものなのかは判断しかねるが。
村上龍の小説『限りなく透明に近いブルー』にも出てくる米国西海岸音楽。そんな時代の音楽。妙に爽やかなんだけど、よく聴くとそうでもない。さらさらしてると思ったらどろどろしてた、という感じ。
たぶん一曲目の「White Bird」が彼らの代表曲なんだけど――そう、「It's A Beautiful Day」ってバンドの名前なんです。同時にアルバムのタイトルでもあります。これは彼らのファースト・アルバム――後年のライブ番（カーネギーホールでのライブ。結構盛り上がってる。当時はそれなりに有名なバンドだったのかも）では歌詞が微妙に変わってるんだけど、そっちの方がいいと思うのだけど（金色の籠の中の白い鳥は飛んでいかなければ死んでしまうだろう、っていうのから、死んでしまうだろうというフレーズが消滅する）。
個人的にはかなりイッちゃってる「Wasted Union Blues」とか、あとやっぱり代表曲っぽい「Bombay Calling」とか、その辺が好きかな。まあなんつうか、サイケです。サイケの正確な定義は知らないけど。
いちばん最後の「Time Is」は私の知らないくらい古い雑誌にドラッグソングと紹介されていたような。まあ、そんな感じです。
そういえば、ボーカルの女性はその後交通事故で亡くなったそうです。合掌。[2004/03,2004/04]