アルバム中のCut Some Rugは忘れることの出来ない曲である。昔、ある悲しいことがあって、その時この曲を聴いたとき、女性の強さと、それに対する自分の脆さ、そして救いようの無い孤独癖を痛感させられたのである。名前の通り、透明感ある彼らのサウンドはブリティッシュ・フォークの要素も感じ取れる素朴で広がりがあるサウンドで、その中にどこか孤独の影が付きまとう。ブリットが流行る中、この癒されない孤独感がブラーやストーン・ローゼスと微妙に違う色を出しているし、オアシスとは決定的に違う。荒削りゆえにたまに音のつくりが安っぽく感じてしまうことがあるが、それでも寂しさと慰めが複雑に絡み合ったこのサウンドからはなれることが出来ない。