performing arts, films & movies 200202

• Audible Vision 1913/2002

  ライブ・パフォーマンス：MILLS/吉井としや/宇波拓・古池寿浩・水谷康久・江崎将史カルテット/吉田アミ・ユタ川崎・安永哲郎トリオ

• ベリー・アニー・メアリー/1999　イギリス/監督：サラ・シュガーマン/出演：レイチェル・グリフィス　ジョナサン・プライス　ジョアンナ・ペイジ　ほか

  　父親と同居している３０歳のアニー・メアリーがひとり立ちするまでの物語。
  

  　アニー・メアリーは少女の頃国際的なコンクールで優勝したほどの歌の才能の持ち主だったが、コンクールの直後母親が急死し、父親をひとりにすることはできないという理由から歌手への望みを断念する。
  

  　父親はその村の歌の名人で、パンの配達をする車を運転しながらスピーカーで自分の歌を流す。しかもパバロッティの面を付けて。
  

  　そしてあるときその父親が倒れ、命は取り留めるが働くことも自分で歩くこともできなくなる。
  

  　アニー・メアリーは父親が死んだら店を売り払って目を付けていた家を買おうと思っていたのでがっかりする――と書くとアニー・メアリーが人でなしみたいだけど、暴君としての父親の元から逃げ出す絶好のチャンスだったのだ。
  

  　誤解しないで欲しいのだけど、この辺とてもユーモラスに描かれている。暗くもどろどろもしないように、ブラックにもなりすぎないようにと。
  

  　このあとアニー・メアリーはどうなっていくのか、というのは書かないけど、「私のお父様」がとても効果的に使われている場面があって、そこではちょっと胸がいっぱいになってしまいました。お約束、ではあるのだけど。
  

  　あと、やっぱり介護って大変だよね、うんうん、って頷いたりしてしまったし。でもそれがとてもきついというかちょっと無神経なんじゃないの？って場面で言われているところもあるのだけど（もちろん監督はそのことを百も承知なのだが）、こういうことってそういう言葉の使い方でしかなかなか他人には理解されにくいのかもしれない。