performing arts, films & movies 200101
素晴らしかった。あとでみた『ダンサー・イン・ザ・ダーク』よりも、映画としてはずっと優れていると思う。
スター・トレックのパロディという要素が大きいらしいのだけど、残念ながらスタートレックはそんなに見ていないし思い入れがあるわけではないので映画に出てくるオタク連中を見てひたすら大笑いしてしまったのであった。
ある意味ＳＦというよりもファンタジーなのだけど（あのラストは特に）、起きてくるいろいろなことが二重の意味合いを持つ（現実/虚構・演劇、みたいな）のだけど、その辺の絶妙さがまたよいのだ。
見に行ってよかった。だってなにしろビョークがめちゃくちゃ可愛い！あのビョークが歌って踊って、もうそれだけでＯＫでしょ？文句ある？
噂には聞いてたけど、映画の途中、そして映画の終わったあと、館内からはすすり泣きが聞こえてきた。それが聞けてちょっと嬉しかった。
映画自体の出来は、こないだ見た『ギャラクシー・クエスト』に及ばない。でもそれだってかまやしない。だって、工場の機械の音や、列車の通過する音が音楽のビートになって、そこからミュージカルに突入してしまう、もうそれだけでじゅうぶん。っていうかそこで泣けてしまった。ああこの映画はミュージカルなのだな、ミュージカルのシーンのあとにやってくる中断の作り出す重苦しい「現実」なのではなくて。
殺人事件がテーマになっているオペラだってあるのだから、こういうミュージカルがあってもいいはず。法廷でタップダンス！こっちまで踊り出したくなっちゃう。あそこで踊り出したくならなかったらどうかしてる。泣いてカタルシスを味わえればいいってものじゃないでしょ？
映画館を出て、耳を澄ます。さーっと霧が晴れたようにあたりがクリアになる。そこからビートを探す。探さずにいられない。東京には音がたくさんあるからなんの音？って特定するのは難しいけど、そこには必ずビートが見つかる。ほんとうに踊り出せれば最高なんだけどね。でもそれはセルマにだってできなかったことだから。
そういったこととは別に、重苦しい感想。２０００ドルちょっとで人の命が購われる（結果としてだけど）ということ。２０００ドルって、１ドル＝１１７円として、２３４０００、だいたい２５万円。そりゃ確かに私にとっても大金だけど、セルマはそれを稼ぐためにあんなに苦労しなくてはならなかったし、ビルはその金を工面することができなかった。それがなんだかやり切れなくて、切ない。なにしろ舞台はアメリカなのだ。こんなふうに映画を見てパソコンを所有している私って何者？って突きつけられたような。どうせすぐに忘れてしまうんだろうけど。
……アップしてから気付いたけど、あれって現在の話じゃないのね。公式サイトで調べたら６０年代の話なんだって(-_-;) ってことは２０００ドルの価値は……推して知るべしですね(-_-;) とほほですね(;_;)
めちゃくちゃはずかしーーーーーっ＼(;>_<;)／