2000/03

13

今日は仕事関係の最終回だった。三年くらい関係していた仕事だったので、少しだけ感傷的になる。でもまあ寂しくて仕方がない、というほどではない。でも各方面に挨拶回りをしようとしてタイミングが合わなかったり不在だったりそういうのがいつくも重なってしまい、落ち込む。たいしたことじゃないんだけどね。でもやっぱり落ち込むんだ。

買い溜めていたCDをやっと聴き始める。手始めに種ともこの『hetero』。でもいきなりここで止まってしまう。というのもいきなりめちゃくちゃ気に入ってしまったから。

種ともこはデビューシングルを出す以前から知っていて(歳がばれるな(笑))、つまりはFM横浜(今はなんていうんだ?)試験放送のプログラムを見ていたとき「種ともこ」という奇妙な名前を目にして聴いてみるか?と聴き始めたのが種ともこ生まれて初めてのDJ、というわけだったのだ。そこで掛かった曲にいきなりはまって(「ただそれだけ」という曲)、それからとつとつとしたおしゃべりと「好きなもの(そこらへんにあるもの、みたいな)」が私の好きなものと同じで──なんだ、私ってその頃から半径三メートル以内にしか興味なかったのかも。

で、そのときから今日までずっとファンを続けているのだ。なんかすごいな。

種ともこは基本的にシンガーソングライターなのだが、「hetereo」では種ともこ自身は一曲も書いていなくて、自身は歌を歌うことに専念している。確かにコトバ世界は種ともこのものと少し違うけど、違和感はほとんど感じない。というか種ともこの世界になっている・・・。

なんてことはまあどうでもいいんだ。とにかくここ数日毎日このアルバムを聴いているし、多い日には三度くらい聴いている。そのくらい気に入ってしまったのだ。困ったものだが。

いちばん好きなのが「抱いててほしい」という曲。もちろんどんな曲かを説明するなんて無意味だ。興味を持ったら聴いて欲しいし、それ以外に音楽を共有する方法は、ない。なによりもとにかく気持ちよくて。ぎゅっと抱きしめられてる、みたいな。

話は突然変わるけど昨日は日曜日だというのに出かけた。珍しいことだ。朝目が覚めたら十一時半で、実はそんなに遅くまで寝ていることは私としては珍しくて。でも起きたら少し頭痛がしてた。生活時間がパターンからずれるとよくそうなるのだ。不快だけどそういうのがないと精神は腐る気がする。お昼のニュースを見ながら前日食べたブールの残りと捻りパンとヨーグルトで食事をしていると友人から電話。

それから午後いっぱい東京のあちこちをさ迷う。当初の予定はいろいろあってキャンセルされたのだが、少し春めいた空の下頭痛を抱えながら歩き回るのは気持ちよかった。でも帰宅後頭痛が耐えがたくなってきたので薬を飲む。でも回復してきたのは寝る頃だった。

15

肉じゃがを作ってみた。こないだよりもうまくいった。でもジャガイモが柔らかくなるまで煮るのには結構時間がかかった。肉は豚肉を使ったのだけど、牛肉のほうがおいしいかもしれない。でも近所のスーパーで牛肉は豚肉よりもかなり値が張るのだった。しらたきを入れたのは吉と出た。夏ならインゲンを入れたいところ。たくさん作ったので明日の夕食も肉じゃがだが、飽きるというほどではない。

督促状の来ていた税金を払いに行く。結構な額なので懐に響く。他にもいろいろ滞納しているものがあったのでそれも払った。嬉しくない散財。

肉じゃがを煮ながら、誰かを失うことによってできた欠落は決して埋められない、ということについて考えていたら、それはつまり失ってしまった人が交換不可能である、ということと同じではなくとも深く関わっているということに思い至って、ほっとする。

通勤先の近所に神社があって、その参道は神社の敷地からさらに住宅地の中に伸びているのだが、そこを歩くためにわざわざ遠回りをしたりする。その神社の参道をまっすぐ北に行くと本殿(っていうのかな?)にたどり着くのだが、私の知っているほかの神社は参道をまっすぐ南に下ると神社がある。そういえば参道をまっすぐ西に突き当たったところに本殿のある神社もある。これには何か規則性のようなものがあるのだろうか?

夕べ寝る前にくらやみの中で種ともこを聞いてみた。

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