これで新潮文庫にあるゾラを二つとも読んだことに。

これはもう、滅茶苦茶面白いです。まあ、『居酒屋』と同じ書き方過ぎるんじゃないの？って気がしなくもないけど、でも古典的な小説のお手本であることは間違いないでしょう。っていうか今頃読んでるわたくしがダメダメ、ってことなんだろうけど。

最初の方がちょっとだけだるいけど、後半は息をも付かせぬ勢い。

「ルーゴン＝マカール叢書」のほかの作品もちょっと読んでみたいかも。

十月にまともに読んだのはこのくらいか。なぜかちっとも小説を読む気になれなくて。これに続いて読んでいるのがまた柄谷だったりするのだが。

十月は元気がものすごく足りなくて、まあつまりかなり落ち込んでいたのだが、柄谷読むとやっぱり少しは元気が出てくるのだから困ったものだ。

たとえば、「漱石は日本の古典文学・漢文学に関してたとえば吉田健一の百倍ぐらいの活きた教養を持っていただろう」などというところで嬉しくなってしまったりするのだが、このような読み方は正しいものではないだろう。というよりも、キャラ萌えというのにかなり近いかもしれない。

それもどうかとも思うのだが、それをつい選択してしまう、というところからやり直してもよいかもしれない、とは思う。