言わずとしれた魯迅の代表作（たぶん）。なのに私は読んだことがなかったのだ。と思ったら、「故郷」という短編は（たぶん）中学校の教科書に載っていた。最後のところだけだったような気がするけど。こんなに短い作品なのだから全部載せればよいのに。とは思うけど、当時の私にはやっぱり長すぎるかもしれない。

　その「故郷」は素晴らしい短編だ。というかどれも素晴らしいのだけど。でもやっぱり中国の近代史をまるで知らないのはきつい。習ったはずだし辛亥革命の本を読んだこともあるような気がするのだけど、ちっとも覚えていない。若い頃にただ読めばいい、というものでないのかもしれない。

　とりあえずいちばんすごいと思うのが「阿Ｑ正伝」だ。少しだけ「ドン・キホーテを想起した。ベクトルは似てるけど少し違うか。

　身辺のことを書いたらしい作品は、漱石の「永日小品」あたりと少し似ているかもしれない。

　しかしこのあと中国の近代文学はどうなったんだろう？戦争の連続でそれどころではなかったとかいうこともあるのだろうか。

安岡章太郎を読むのは始めて。

私にはまったく向きませんね。ある種の鈍くささが耐えられないというか。なんか、有名な作品らしいのだけど。

鈍くささの原因は中途半端な自意識過剰にあるような気がする。なんだかなあ、って感じ。