books199908
先日チャットである方に教えてもらったある詩の載っている本を探していたのですが、おとといある場所で発見、入手したものです。
で、その詩とは次のようなものです。まあこれは半ば私信のようなものなので全文引用してしまいます。[でもこうして公開してしまったのでやめておきます。]
まいまい
（省略）
「まいまい」は舞を舞う人とカタツムリの両方の意味があてがわれるみたいです。
確か×××で××も紹介していたような。以前新聞に載っていたのをずっと探していたのですが、昨日某所にて発見しました。
すぐに読んでしまえるのですが、挿絵もチャーミング（だと思える人にしかこの本は薦められない）だし、手許においてときどき眺めたい本です。装丁もきれいだし。
なお著者は映画監督だそうです。
ヴォネガットの、「巨大脳」への挽歌ともいうべき逸品。人類がガラパゴス諸島のある島に漂着した数人を含めて絶滅し、その数人を祖先として人類は「巨大脳」を放棄する形で進化する、という話だけど、実はその数人がそこへたどり着くまでの部分に物語の大半が割かれている。
『スラップスティック』を読んだときよりもヴォネガットのことが好きになれたような気がする。
先日紀伊国屋に行ったときジュニア新書フェアをやっていて、その中から科学っぽいのを三冊購入。夏は科学。ボイル−シャルルのごときは疎まし。
・・・で、高校で化学を勉強したことのある人なら知っているはずの７つの法則について歴史的経緯をふまえつつ説明してある。化学の教科書には事実及び実用的情報以外はあまり記されていないので、ここに書かれているようなことを知らない人も案外多いのかもしれない。私もよく知らなかった。「フロギストン（撚素）」ってのは聞いたことはあったけど。でも、化学をあまり勉強したことのない人がいきなり読むのには難しそうな気がする。
この手の本は嫌いなのだが、あえて嫌いなのを読んでみようと思って。
ちょうどバブルの頃に書かれたのか、今では状況が微妙に変化してしまっている。でもだからといって内容が無効、というわけではない。ただ、バブル批判的な部分がちょっと外してる感じがして悲しいのだけど。
で、やっぱりあんまり好きになれなかったけど、環境問題とかあんまり触れる機会のなかった人にはこのくらいの内容はちょうどよいのかもしれない。「地球をこわさない」という言葉に含まれるある種の欺瞞について語るのは、もう少しあとの段階でもいいのかもしれない。
なかなか共感できない部分が多かったとはいえ、最終章はちょっと感動的だった。内容については読んでいただくとして、ある人の報じ奉る「思想」というのは、その人の「心の傷」というものと深く関っていることが多い、ということをここでも確認してしまったのであった。
ＤＮＡ本はなん冊か読んできたけど、これがいちばんわかりやすかった。いままでよくわからなかったこともほぼ理解できた。
いちばん面白かったのは電気泳動によるＤＮＡの分析。ああ、こうやってＡＴＧＣを決めていくのかと。構造が同じだから分子が小さいほど動きが速い、ということなのだろう。
とにかく、××さんにはぜひ読んでいただかないと。『あなたのなかのＤＮＡ』（中村桂子、ハヤカワ文庫）あたりと一緒に読んでいただくともっとよくわかるかも。
××さんから「ネクロフィリアだよん(ﾟ-ﾟ)」と紹介された小説（人のことを指すならネクロフィルと言うほうが正しいみたい）。「くぉのエロジジイ」とか言いたくなっちゃう感じ(笑)。睡眠薬で眠らされた少女とひとつ布団の中で一夜を過ごすという老人達の秘密クラブ(笑)があって、その会に誘われた江口老人が決して目を覚ますことのない少女達と過ごす夜のお話。でも、どれも処女らしい少女達に対してまだ「男」である江口老人が「屍姦」に及ぶことはない。
表題作のほかに『片腕』『散りぬるを』が収録されているが、『片腕』は少女の片腕（もちろん生きたままの！）を一晩借りるという小説で、なんというか、すさまじい(笑)。
にしてもこのロリコン加減はなんということだろうか(笑)。
なんか悪口みたいになってしまったけど（確かに悪口だけど(笑)）、読んだことのない方には一読を薦めたいです。おもしろいです。
バルトの日本訪問印象記、というのは間違っているが、でも間違ってもいないだろう。
いちばん最初に掲げられている舟木一夫の写真にはぎょっとさせられる。なんとうか、こんなふうに見えることもあるのか、という感じ。
内容については、まだ何も書けない。「うんわかるわかる」というレベルではあるけど、それ以上のものではないのだ。でも、「この感じ」（という言い方自体が内容と相反するものであるかもしれないけど。というか、「この感じ」は何も表徴していないわけではないけど、理知的なものではない。ああ、これ自体が「日本的」エクリチュールなのか(ﾟ-ﾟ)？(笑)）にはすごく惹かれるのであった。
巻末の宗佐近（この人のことはよく知らないけど、名前がかっこいいな）の解説が、実はとてもよかった。というか、好きだった。解説に引かれているバルトの言葉。
「文学とは、その問いかけが答えとなり、その答えが問いかけとなる作品活動のことだ」
天地がひっくり返るほど僭越なことをいえば、まるで私が言いそうな言葉だ(^_^;)。
やっと『明暗』を読んだ。実は充分に読みこなせなかった。内容や人の心がわからない、というよりも、自明とされていることがよくわからなかったりしたのだった。もしかしたら漱石の他の作品も、読みこなせないとわかるほど読みこなせていなかったのかもしれない。
これから程なく死ぬとは思われなほどパワフルだ、というよりもほとんど粘着質全開、という感じだ。これだけでも長いのに、感じとしては話も半ば、という印象だ。もし漱石が死ななかったら、行人みたいに中断した箇所から長大な続きを書いたのではないか、と思わせる。水村美苗の『續明暗』も確保してあるのでいずれ読むつもり。