朝起きるとちょっと強い北風が吹いていました。ほんとうは玄関先の落ち葉を掃かなければならないのですけど、風がおさまるまで待ちます。風が強いと、掃き集める先から落ち葉がどこかへ吹き飛ばされてしまうからです。落ち葉が風に舞う姿は美しく、ロマンティックですけど、道路がすべて舗装され、家々の狭い庭さえ駐車場にするためにコンクリートで固めてあるような住宅地では、落ち葉は下水を詰まらせたり、雨樋を詰まらせたりするやっかいものであるだけではなく、舗装道路の落ち葉は朽ちるに任せるわけにもいかず、もし私が掃き集めるのでなければ、必ずや近所の人の手を煩わせることになってしまうのです。
あ、でも愚痴をいいたいのではないのです。掃き集める黄色い落ち葉は美しいし、ふと見上げると青い空が見えたりすると、気持ちがいいのです。
雨が少ないということは、いろいろと困ったことを引き起こします。でも、やっぱり青空は好きです。今朝、「みんなのうた」を見ていて、やっぱり青空は好きだなと再確認してしまったのでした。
「みんなのうた」はとても好きです。今年度になってから、週の後半は５分の時間をとってゆっくりと歌を聞かせてくれるのですが、あの懐かしい「さとうきびばたけ」をもう一度聞いたときにはちょっとだけ涙が出てしまいました。感動して涙が出るというのは恐ろしいほど陳腐で、だからこそ気恥ずかしいものですが、でもそういうものはなんだかよくわからないエネルギーを持っていたりするものだから、注意深く観察することにしているのですけど、なかなかうまくいきません。
今日聞いた歌も、ちょっとだけ涙が出てしまいました。それは言葉の使い方とか、画面に映し出される色彩とか、そういうものと関係があるのかもしれませんし、陳腐かもしれないけど好きな音が混じっているとか、そういうことなのかもしれません。あるいは声が好きだとか。
落ち葉を掃き集めていると、いろいろな人に会います。それは近所の人だったり、犬を連れた散歩の人だったり、通り道にしているらしい人とか、自転車に乗ったおじいさんだとか。
それから、人を好きになるということについてちょっとだけ考えました。
「好き」といっても恋愛とかそういうことだけではありません。もっと広い範囲で、そう、好きな歌手とかタレントなんかでもいいです。このことはずっと前からいろいろ考えているのですが、つまり、「〜だから好き」っていうのがあって、でもそれは後から考えることで、ほんとは「好き」っていうのはなんだかもっとよくわからないものなのではないかなと思うのです。「好き」な理由はたぶんいくらでもあげることができると思います。でも、それは「好き」になってから発見したことなんじゃないのかなあ。
ああ、なんだかわけがわからなくなってしまいました。
掃き集めた落ち葉はプラスチックのバケツに入れます。もう少ししたら、庭に埋めて資源のリサイクルにまわそうかなと思っています。