思考の渦の中に身もだえる、黄色い小鳥の行き先を誰が死るだろうか。
今では電気かなりやのかごの中にはトマトと人じんの千切りとが所狭しと並べてあるというありさまだ。いまさら、純粋に哲学的な小鳥が、「私は潔白です」と言い張ったところでいったい何の役に立つだろう。むしろ中断と中段の引出について問いなおすことが今最も必要とされているのだ。
たとえば、田園に横たわる辞書を想像してみたまえ。後楽園の鶴もびっくり仰天気落ちして千年の命をあたら無駄にしてしまうかもしれない。だがそれ以上に墓地の改造は君の意見と少しも矛盾することはないだろう。私なんぞは飲んだくれて酔いつぶれているうちに目からうろこがぼろぼろ落ちて挙げ句の果てには月のうろこが猫を買いかぶっているというありさまだ。かいつぶりじゃないよ。
猫撫で声のおばあさん、そんなこと言っちゃだめ。よしておくんなさいのよしこさん。いいえ我が輩は猫では御座りませぬ。小鳥なのよ。うふふっ。仲よくしてくださいね。
そう言うと君は雲霧のようにところてんになるとつるつるっと食べてしまった。それを見ていた兼六園の鶴が後楽園の鶴の二の舞三の舞い序の舞いとなったことは言うまでもないとはなんて傲慢な奴だね。だから神田川で水汲みなんかしてるうちに天の底がぬけて天丼やざるそばのいけにえになっちまうんだ。
でも、いまや何もかもが昔のことですね。そんなことはないって？じゃあ、夜明けの晩に学校裏の墓地に来ておくんなさい。嫌だって？まあそう言わずに、お布団でも被って来ておくんなさいまし。きっとお日さまが僕とダンスをしたり、釣りをしたりするのがみられることでしょう。
それは、君にとって重要な事だ。
たとえば、おせんころがしの上流に、××という村があったのだが、三億六千年前のアンモナイトの乱で惜しくも散会してしまい、プレアデス散開星団になったという伝説が巨人部落に伝わっていたのですが、彼らは日々野球に精進しているうちに村の真ん中にあるかまどの煙突が炎を吹き上げたそうです。なんでも石炭のくべ過ぎだということですが、真相は闇の中ですあなたご存じありませんか？
その川はいまでも黄色い水が流れているのだが、赤い花は我が世の春と君の家の庭で咲き誇っているという事実は青天の霹靂ともいうべきことだ。だが、そもそも川の水はいつも青い顔の私と君の頬を行ったり来たりしているに過ぎないのだ。